制度について

外国人技能実習制度

制度の概要

外国人技能実習制度は、開発途上地域の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として、我が国で培われた技能、技術又は知識をOJTを通じて移転する制度です。技能実習生は実習実施者との雇用関係のもと、3~5年間で技能等の習得を図ります。

2種類の受入れパターン

入国に係る諸手続き等、すべて自社内で完結させる

①企業単独型

日本の実習実施者が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式で、入国に係る諸手続きや日本語講習等もすべて自社内で完結します。

監理団体が技能実習生を受け入れて実施する

②団体監理型

事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、傘下の実習実施者(受入企業等)で技能実習を実施する方式で、技能実習全体の98%以上を占めています。
当組合は図の監理団体となります。

受入れ可能な職種

技能実習制度では、移行対象職種・作業一覧のとおり、3年以上継続できる職種・作業が決まっています。
当組合における受入れ職種はこちらをご覧ください。このほかにも受入れ可能な職種がございますので、お気軽にお問い合わせください。

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受入れ期間

上図のとおり、技能実習は原則3年間ですが、監理団体と実習実施者が共に優良(一定の明確な条件を満たした場合)で、実習生が2号終了時に技能検定3級相当の実技試験に合格した場合は、技能実習3号として引き続き在留することができます。
また、特定技能に切り替える場合は法務省が定めた要件が必要となります。つまり、技能実習3号を終えて特定技能に移行した場合、最長で通算10年間受入れることが可能です。ただし、第3号以降は実習実施者を変更(転籍)することが可能になります。

※1 技能実習3号における一時帰国について
技能実習3号に移行する場合、以下の①または②のどちらかを選択して一時帰国しなければなりません。
① 技能実習3号を開始する前に1ヵ月以上
② 技能実習3号開始後1年以内に出国し、1ヵ月以上1年未満

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特定技能制度

制度の概要

人手不足が深刻な12分野(14業種)において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材の受入れを実施する制度です。「技能実習制度」が「人づくり」による国際協力であるのに対し、「特定技能」は人材不足をカバーするための「労働力」であるというのが大きな違いです。

主に2種類の受入れパターン

①技能実習生以外の外国人

技能実習生からの移行でない場合、当該外国人は「技能試験」「日本語試験」に合格する必要があります。日本国内在留の留学生や海外在留者が試験合格及び企業の面接に合格することで受け入れが可能です。

②技能実習生からの移行

技能実習2号または3号を良好に修了した技能実習生が、同分野の特定技能に移行する場合であれば「技能試験」「日本語試験」は免除されます。

受入れ可能な職種

前述の12分野(14業種)と従事できる業務等は下表のとおりです。
また、特定技能1号から特定技能2号に移行ができる分野は、現在、建設と造船・舶用工業の2分野のみですが、2023年6月にその拡大が閣議決定されており、介護以外の特定技能1号については、2号へ移行できるようになります。(※介護については、既に在留資格「介護」が存在しており、実質、すべての分野で移行が可能となります。)
1号から2号に移行できることにより、多くの業界では5年を上限としていた就労期間を超え、在留期間の上限なく、家族帯同も可能となって日本で働くことが可能となります。

特定産業分野 雇用形態 特定産業分野 試験の種類数
(試験区分)
介護 直接 身体介護および付随する支援業務。訪問系サービス不可。 1
ビルクリーニング 直接 建物内部の清掃業務。 1
素形材・
産業機械製造・
電気・電子情報関連産業
直接 ①機械金属加工
鋳造、ダイカスト、金属プレス加工、工場板金、鍛造、鉄工、機械加工、仕上げ、
プラスチック成形、溶接、塗装、電気機器組立て、機械検査、機械保全、工業包装

②電気電子機器組立て
機械加工、仕上げ、プラスチック成形、電気機器組立て、電子機器組立て、
プリント配線板製造、機械検査、機械保全、工業包装

③金属表面処理
めっき、アルミニウム陽極酸化処
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建設 直接 型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、
電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ/表装、とび、建築大工、配管、建築板金、
保温保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工。
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造船、舶用工業 直接 溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立て。 6
自動車整備 直接 自動車の日常点検整備・定期点検整備・分解整備。 1
航空 直接 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)と、
航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)。
2
宿泊業 直接 フロント・企画・広報・接客・レストランサービス等の宿泊サービスの提供。 1
農業 直接・派遣 耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)。
畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)。
2
漁業 直接・派遣 ◎漁業
漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、
漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等。

◎養殖業
養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、
安全衛生の確保等。
2
飲食料品製造業 直接 ◎飲食料品製造業全般
飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生。
1
外食業 直接 外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)。 1

特定技能制度についてよくあるご質問

A技能実習2号を修了した外国人が特定技能1号に在留資格を変更する場合、
一時帰国は法令上の要件とはなっていません。
A在留資格を有している方であれば、特定技能制度における技能試験を受験することは可能です。また、当該試験に合格した場合であれば、特定技能制度で求められている技能水準を満たしていることを証明する書類として、在留諸申請時に、当該試験に合格した書類を提出することが可能となります。なお、在留資格変更許可申請の申請時期は特段定めがありませんので、在留期限内であれば、いつでも可能となります。
A外国人が技能実習2号を良好に修了していることが条件となります(日本語能力試験に加え、技能実習時の職種と関連している分野の場合は技能試験を免除。)。良好に修了しているとは、技能実習を2年10月以上修了し、かつ①技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験に合格している、②技能実習生に関する評価調書がある、のいずれかです。
※評価調書については提出を省略できる場合があります。
※技能実習(2号・3号)活動中の者が実習計画を中断して、特定技能の在留資格へ変更を行うことは認められません。
A受入れ機関に賃金規定がある場合には、賃金規定に基づいて判断することになります。賃金規定がない場合であって、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断することになります。賃金規定がない場合であ って、同等の業務に従事する日本人労働者はいないものの、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う業務に従事する日本人労働者がいるときは、当該日本人労働者の役職や責任の程度を踏まえた上で特定技能外国人との報酬差が合理的に説明可能か、年齢及び経験年数を比較しても報酬額が妥当かなどを検討して判断することとなります。賃金規定がなく、比較対象の日本人もいない場合には、雇用契約書記載の報酬額と、当庁が保有する近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較することとしています。
なお、1号特定技能外国人は、技能実習2号を修了した外国人と同程度の技能水準であることから、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されます。
A介護及び建設分野を除いて、企業ごとの受入れ数の上限はありませ ん。
A通算在留期間は「特定技能1号」の在留期間で計算されるため、上陸許可や変更許可を受けた日から計算されます。そのため、「特定技能1号」の在留資格を有している限り再入国出国中も通算在留期間に含まれます。
A特定技能制度では、二国間取決めを作成した国の国籍であることを受 入れの要件としていないことから、これを作成していない国の外国人で あっても受け入れることはできます。
A入管法において義務付けられている届出には、住居地を定めたとき及び変更したときの届出、在留カードの住居地以外の記載事項に変更が生じたときの届出、受入れ機関の名称・所在地変更、消滅の届出、受入れ機関との契約終了・新たな契約の締結に係る届出があります。
原則として、特定技能外国人の方が転職する場合には、在留資格変更許可申請を行う必要があります。なお、退職から14日以内に変更許可がおりない場合は、受入れ機関との契約終了の届出を行っていただく必要がありますので、ご注意ください。
A受入れ機関は、法務省令に定める基準に適合する支援計画に従い、1号特定技能外国人に対し支援を実施しなければなりません。受入れ機関は、特定技能外国人を支援する体制があることが求められますが、契約により支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託することにより、この基準に適合するものとみなされます。 具体的には、外国人と日本人との交流の促進に関する支援、外国人の責めに帰すべき事由によらない契約解除時の転職支援のほか、特定技能雇用契約の内容に関する情報の提供、外国人が出入国しようとする空港等への送迎、適切な住居の確保に係る支援等の法務省令に規定される支援については、義務的に実施しなければなりません。

出展:特定技能ガイドブック|出入国在留管理庁